先日、
池袋の東武百貨店で開催された
「伝統的工芸品展」を観に出かけました。
箪笥、鋳物、焼きもの?琴、和紙、わっぱ、うちわ迄、
『伝統工芸』というキーワードに該当すると思われるありとあらゆるものが、
一堂に会していました。
とても印象深かったのは、
沢山の人が足を止めていた「箱根寄木細工」コーナー。
色彩豊かな独特の幾何学模様に心を奪われながらも、
インパクトを受けたのはその価格帯です。
ピルケースほどの小さな器に
1万円近くの値段がついていました。
素材、技術としての完成度の高さ、
そして「箱根」に対して大勢の人が持ち得る非日常性。
実用性からかなりかけ離れているので、
あとは購入者がどれだけその商品と値段のバランスに
価値を見出すかにかかってきます。
販売員の方もそこを分かっているせいか、
媚びるような営業はかけてきません。
「う?ん、恐れ入りました」という心境でパンフレットをもらい、
その場を後にしました。
「京焼」のコーナーでは、
絵柄のモダンさに意表をつかれました。
「伝統工芸」の場を超越するほどの斬新さは、
「京焼」のブランドがあるからこそ逆に
実現できたことなのかもしれません。
値段も手ごろだったのか、
このコーナーでも比較的多くの人が足をとめていました。
実演する職人さんにも
色々な方がいらっしゃいました。
作品に目を落として黙々とかんなで削る職人さんや、
手はほとんど動かさず、
通る人に素材や作り方、そして商品の魅力を
リズミカルにアピールする職人さん。
「買う気持ちがあったら、どこでどの商品を買っただろう」
と思いながら、
待ち合わせをしていた叔母と落ちあい食事をしました。
以前、ヴァイオリン奏者の葉加瀬太郎さんが
ラジオのトーク番組で、
「明快な結果が評価されるスポーツ選手以外は、
アーティストもビジネスマンも
『自分はこういう人間なんです』という発信をしていかないと
抜きん出ていくことはできない」
と語っていました。
確かに、
これだけ情報が溢れていると
伝統や権威、質の高さだけを基準にしても
沢山のモノや人に行き当たってしまいます。
人がどのような基準で欲しい商品にたどり着くのか。
その過程にどのように勝負をかけ、演出していくかが
伝統工芸も、事業も、そして仕事人としての個人も
生き残りと成長のポイントとなりそうです。