日頃MBAの方々とお会いすることも多い私たちですが、
先日ドキッとするようなタイトルの本を見つけました。
その名も
『MBAが会社を滅ぼす~マネージャーの正しい育て方~』
(ヘンリー・ミンツバーグ著、池村千秋訳、日経BP社)

原題は、”MANAGERS NOT MBAs”、つまり
「MBAでない管理者(が理想的?)」の意です。
マネジメント教育の第一線で奮闘している著者は
かのマイケル・ポーターとも親交があるそうですが、
著書の内容としては
マネジメント教育の現場からのSOSとも、告発ともとれるもの。
現在のMBAの教育カリキュラムは
分析と意思決定の限定的なノウハウ伝授が中心で、
ビジネスの現場で活躍するマネージャーに必要な
ソフトスキル・必要な業界知識等は培われない、と
ばっさり切り捨てています。
曰く、
「ビジネスゲームやフィールドワーク、ケースなどは所詮直接の経験ではない」
「MBAには、ビジネスへの情熱はあっても経営する意思のない人たちが来る傾向が強い」
「ウォーレン・バレット、マイケル・デル、ビル・ゲイツ、ジャック・ウェルチ等『最も尊敬するビジネスリーダー』の上位ランキング者にはMBAを持たない人のほうが圧倒的に多い」
「マネジメント=ビジネス・リーティングに必要な力は、究極的にはコミュニケーションスキル、問題を整理する力、推論する能力であり、数学や哲学をしっかり学んだ人のほうがMBAより成長する」
などなど。
「出来上がってしまったビジネス・エリートへの追い越し車線の
暴走し始めたMBAたちが法的に堕落すると、
エンロンの粉飾決算のようなことが起こり、
罪のない市民が引き殺されてしまう」といったくだりは
この秋からのアメリカ発の金融危機を予言しているようで、
視点の鋭さが感じられます。
(ちなみに、著書が発刊されたのは2006年。)
とはいえ、
経営課題の解決に必要な「分析的枠組み」は体得できること、
膨大な作業と格闘するストレス耐性等が獲得できることは
著者も認めています。
つまり、彼が伝えたいのは「MBA不要論」ではなく、
「現在のMBA≠マネジメント教育」であって
「MBA修了=ビジネスリーダーとなるスキルの獲得」とは
ゆめゆめ勘違いしないように、ということです。
同様の意見は、実際のMBA修了者からも聞く話です。
現在のMBAでの修学を考えている方、
MBAのメリット・デメリットをきっちりと棚卸しておきたい方は、
是非ご一読下さい。
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